2015年より企業に対してストレスチェック制度が義務づけられ、各企業で社員のリラクゼーションを促すさまざまな取り組みが行われています。その取り組みのひとつとして仮想現実(VR)に着目し、VR映像と音を体感してもらうことでストレスの軽減を図る研究を進めておられる野村総合研究所(NRI)へ当社の仮想現実(VR)技術を駆使した「空間VR」を制作し提供しました。
リラクゼーション効果を高めるために、軽量で4K解像度が表示できるヘッドマウントディスプレイを採用し、映像の世界に没入できる環境を作り、いくつかの「空間VR」を制作しました。まず最初に3次元CGによって実在しない仮想空間上のオリジナル美術館を構築しました。高く白い壁と植栽で覆われた美術館に入れば、誰もいない一人だけの空間で、癒しを感じる音楽に包まれながら、いくつも飾られた鮮やかな西洋絵画をゆったりと鑑賞することができます。
次に屋外でのリラクゼーションを想定した自然環境を制作しました。森の中を歩く森林浴をイメージし、CGによる森の小径を制作しました。様々な小鳥たちのさえずり、遠くで流れる川のせせらぎ音、緑豊かな森の中をゆっくりと歩き、ストレスで疲れた体を癒します。その他にも、360度撮影された横浜美術館、大塚国際美術館の室内写真を用いて展示空間を体感し、絵画などが鑑賞できるようにVR化しています。
野村総合研究所(NRI)は、リラクゼーションの研究だけでなく、アートによって感性を磨くこと、意識の活性化を図って創造性を高めることも狙って美術館VR、美術品VRの活用を模索されています。新型コロナウィルスの流行が収束したとしても、人気の美術館や企画展の混雑はさけたい、ゆっくり鑑賞できない、等人々の意識が変わろうとしています。これからは5Gの普及化も伴って、場所を選ばず、誰もが気軽に利用できる鑑賞ニーズが高まってくると思われます。当社はこのようなニーズに向けたコンテンツを手軽に高品質でご提供できるよう研究開発してまいります。
詳細は野村総合研究所NRI JOURNALに掲載されています。
仮想現実(VR)の活用によるストレスの軽減――仮想空間体験がもたらすリラクゼーションと活力の向上
https://www.nri.com/jp/journal/2020/0206