こんにちは、コンテンツデザイン開発グループリアルタイムチームの戸本です。
先日東京都から発表されましたVRコンテンツ「東へ南へ 国境離島VR」ではリアルタイムレンダリングを使用した360°画像・映像が使われています。今回はTwinmotion、Unrealengine5を使ったシーン制作についてご紹介します。
Twinmotionで空と海を作る
沖ノ鳥島は太平洋に浮かぶ島なので、シーンには広大な空と海が必要になります。
Twinmotionの機能を使って空と海をシーンに配置します。
まずはTwinmotionのスカイライトHDRI(ハイダイナミックレンジイメージ)で空の表現を行います。
標準で美しい空のHDRIが用意されているのでイメージに合うデータを選び適用します。
南国の空はイメージ合わないと考え、少しくすんだ空に設定しました。
続いては海です。海の配置はとても簡単で、メニューの設定から「天候」に移動し、「効果」、「海・川」の項目で有効をOnにするだけです。
海も何種類かのプリセットが用意されているので、シチュエーションにあった海の表現にします。
最南端の海中をセットアップ
沖ノ鳥島の環礁、ホエールウオッチングはUnrealEngineで制作します。
UnrealEngineを使用した理由はふたつあります。
ひとつ目は前回紹介したアセットと呼ばれる素材を使用するためです。既存の海のアセットをカスタマイズする事で、作業時間を大幅に減らす事ができます。
ふたつ目は魚やクジラなどのアニメーションを使用するためです。Twinmotionは現在のバージョンではまだ独自で制作したアニメーションをインポートすることができません。
星空をセットアップ
このコンテンツでは現地の星空も再現しているので、資料を基に星座を配置し、UnrealEngineで流れ星のアニメーションの設定を行います。
ポストプロセス機能を使い、星が淡い光を放っている表現にしています。
この機能はエフェクトや露出をコントロールする機能を持ち、シーンの演出を行う為に重要なものです。
リアルタイムレンダリング
この案件では各々のソフトの特徴を活かして制作を行っていますが
UnrealEngineとTwinmotionを使用した最大の理由はリアルタイムレンダリングによるレンダリングコストの軽減です。
今回のようなケースでは、担当者とのやり取りが頻繁に行われると予想されたので
トライアンドエラーをスムーズに行う為にはレンダリングコストのコントロールは適切に行わなければなりません。 UnrealEngineとTwinmotionを使用する事でその目的は達せられたと考えています。
リアルタイムレンダリングを使用する案件は今後ますます増えていくと思われます。
cclabでは今後もUnrealEngineやTwinmotionを使用した案件を紹介していきます。